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読むという事

活字を読む、行間を読む、空気を読む

読むという行為はオレの生活の中でかなりのウェイトを占めている気がする。

読むという事が意識的に行われたのはいつだったろう?



初めて買って貰ったのは12巻セットの図鑑だった。





親父が古本屋に行くってんで幼稚園に入ったか入らないか位のオレは有無を言わさず車に乗せられたんだ。

冬の寒い夜8時頃、圧雪で街灯に照らされた道路はテカテカと鏡の様に光を反射していた。

大きな地下道を潜り、信号をいくつかやりすごした左の建物。

閉店間際だったのか人影は疎ら。

カラカラカラ

引き戸を開けると古本屋独特のカビ臭さとレジ脇に置かれていた石油ストーブの熱気が親父とオレの体にまとわりつき、すり抜けていった。

視線を読んでいる本から逸らさないまま

いらっしゃい

小さな声でオレ達を迎えたのが店主らしい。

しばらく親父にくっついて回っていたが、ちょっとこの辺見てろってんで児童書が置いてある辺りで取り残された。

今思えばエロ本でも見たかったんだろう。

オレはオレで楽しそうな背表紙を見つけては開き、見つけては開きを繰り返してたんだ。

おい、決まったか?

親父の声に振り向くと親父は何冊かの本を抱え待っていた。

まだ決めかねていたオレを見兼ねて、親父は格安ワゴンに並んでいたカバーの無い12巻セットの図鑑を持ち、

これにカブトムシついてるぞ

って半ば強引に図鑑をレジに持って行ったんだ。


家に着くと早速図鑑を開いた。

昆虫から飛行機まで幅広く扱っていた図鑑達の中で一番のお気に入りは恐竜図鑑だった。

サーベルタイガーがお気に入りだった。


その辺から読むという事が好きになっていったと思う。

スーパーのチラシから電話帳までとにかく目に入る活字を追う日々。

小学校の頃は休み時間ごとに鬼ごっこだ、サッカーだの誘いを断り図書館に入り浸るんだ。

この時点で空気は読めないわな

この頃から字を読む事とメシを食う事がセットになっていく。

メシを食う時は無意識に何か本を1冊用意していた。

ある意味、活字中毒

中学、高校辺りになると読むジャンルも節操無くなっていく。

純文学から官能小説、家電の説明書から科学論文まで、気になった本は片っ端から読み漁った。

身になってるかというと疑問だがとにかく読んだ。


いまでも何かを始めるキッカケは本だ。
これからも本だろう。


読むという事はオレの生命活動の一つになっている。


あの夜、強引な偶然が無かったらオレは超一流のアスリートになっていたかもしれない。


世界中のアスリート達よ


オレの親父に感謝しな

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