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見捨てられなかったから~仰げば尊し~

なんでオレ、ブログなんか書いてんだろ?

 

 

ふと考えてしまった。

 

ちょっと前まで、ブログなんて芸能人が下らない写真載っけて自己満足する物だと思ってたから。

 

 

しかし、いざ始めてみると元来口下手なオレは、今までの思いを吐き出すかの様に夢中でパソコンの画面の中に思いの丈をぶつけている。

 

 

 

 

この文章から作者が言いたかった事はなんでしょう?

 

 

 

クラスの全員に対して、こう問いかけたのは白髪混じりの長い髪を1本に束ねた国語の先生だった。

 

当時、校内暴力が社会問題になってた時代、我が校も多分に漏れず少なからず荒れていた。

 

その中で不良の先輩達に一歩も引かず気丈に振舞っていたのが上の質問をした金子先生。

 

 

出会いは中学1年の時。

 

踵を踏み潰した上履きを履き、両手を変形ズボンにつっこみ、肩で風切って校内を闊歩していたオレを呼び止めたのが当時生活指導だった金子先生だった。

 

あ?

 

そう言って振り返ると

 

パーンッ

 

いきなり国語の教科書で頭を叩かれた。

 

ぃって!

 

そう言ってハードスプレーで固められた頭を抑えると

 

 

そんな靴で歩いてたら怪我するでしょ!

 

 

意外な言葉だった。

 

髪型や服装の乱れを頭ごなしに叱るのではなく、オレの身を案じてくれたんだ。

 

他の教師はみんな頭ごなしだった。

 

彼女は違ったんだ。

 

その時は素直に靴を直し、謝罪した。

 

初めて教師に謝った。

 

それを機に金子先生はオレを気にかけてくれた。

 

担任ではなかったが、3年になるまで気持ち良く叱って貰った。

 

 

3年になると国語の担当が金子先生になった。

 

他の授業なんてまともに聞いてなかったオレに国語係なる任務を無理矢理押し付けてきた。

 

国語係とは、国語の授業が始まる前に職員室に金子先生を呼びに行き、授業で使う教科書や備品を運ぶという便利屋の事だった。

 

必然的に国語の授業がある日はサボれなくなった。

 

職員室なんて先生を呼びに行く所では無く、オレが呼ばれる場所だったのに。

 

 

そうやって金子先生との大事な一年間が始まった。

 

 

小さい頃から読書が好きだったオレは教科書の漢字が読めないって事が無く、スラスラと読むオレを見た金子先生は多少驚き、褒めてくれた。

 

 

嬉しかった。

 

 

否定しかされて来なかったオレを肯定してくれたんだ。

 

 

小学校の時から国語と図工だけは得意だったから、もっと褒められたくて金子先生の授業だけは真面目に受けた。

 

 

おい!なんだ?その髪は!

 

金子先生を呼びに行った職員室の手前でオレを呼び止めたのは新しく赴任してきた野球部の監督の榎木だった。

 

いきなり髪を捕まれ、壁に頭をぶつけられたオレは

 

んだっ!のやろっ(なんだこの野郎)

 

と、榎木の腕を振りほどき胸ぐらを掴んだ。

 

 

オレ!止めなさい!

 

 

金子先生がオレを制した。

 

 

榎木先生、オレ君が何かしたんですか?

 

見て下さいよ!金子先生!こいつの髪が~

 

榎木が言い終えるのを待たずに金子先生は

 

 

確かに校則違反ですが、榎木先生、あなたこの子の何がわかるんですか?

私はこの子の良い所いっぱい知ってます。

注意するにもやり方ってあると思いませんか?

 

 

 

泣きそうだった。

 

 

打ちつけられた頭が痛いのではなく、オレを庇ってくれた気持ちが嬉しかった。

 

 

卒業まで一生懸命国語の授業を頑張った。

 

金子先生に迷惑掛けれなくて、髪も下ろした。

 

 

 

卒業間近の最後の国語の授業を終えた後だった。

 

 

ちょっと職員室に来なさい。

 

 

金子先生の備品を持ちながら職員室までついて行った。

 

 

一年間良く頑張りました。

 

 

そう言って小さな紙袋をオレに渡してくれた。

 

なんすか?開けてもいいっすか?

 

中には金色の魚の飾りが付いた鉄の棒らしき物が入っていた。

 

これなんすか?

 

そう聞くと

 

 

しおりよ。

 

 

しおりって本に挟めるしおりっすか?

 

 

そう。あなた読書好きでしょ?

読書は人生で有意義な物の1つよ。

あなたの読解力、作文は読書に裏打ちされた才能の1つ。

これからも良い本を沢山読みなさい。

一年間ご苦労様でした。

 

そう言われ職員室を後にした。

 

教室に戻り、友達に

 

 

うんこしてくる

 

 

と、言ってトイレで泣いた。

 

どう仕様も無いヤンキーが金色のしおりを握り締め声を押し殺し泣いた。

 

 

 

去年、風の噂で金子先生が定年退職したと聞いた。

 

最後は小学校の校長先生を務められたそうだ。

 

 

金子先生、オレ今、ブログなんて物書いてんだぜ。

 

文章上手いって褒められたりもするんだ。

 

先生にも読んで欲しいな。

 

 

あ、しおりまだ持ってるよ。

 

今はルドルフとイッパイアッテナって本に挟んでるよ。

 

児童書なんだけど面白くてさ。

 

 

そういえば、あの時ちゃんと言ってなかったっすね。

 

 

金子先生、ほんっとに有難うございました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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