田舎ならではの珍事~平和が一番~

今年の8月の話。

 

 

 

お盆も終わり、皆が気だるさを残したまま普通の日常に戻りつつあった日の事。

 

 

 

今日も気温がグングン上がり、真夏日になるでしょう。

 

 

ニュース番組のお天気お姉さんが、とびっきりの笑顔でキツイ事を言っている。

 

首に保冷剤入りのタオルを巻き、でっかい水筒を持っていつもの様に配達に向かった。

 

 

(朝一で山間部片づけよっと)

 

 

手動で車の窓を全開にしながら、煙草に火を着け、山間部の10世帯程しかない集落に向かった。

 

村の入り口を少し入った所で

 

 

ストップ、ストップ!

 

 

おばあさんが手を振ってオレを止めた。

 

 

なした?

 

タロちゃん逃げでよぉ

 

 

タロちゃんって名前の犬を玄関先で洗ってやってる最中に逃げたんだって。

 

 

んで、タロちゃんは?

 

ほれ、あそこさ居だ。

 

指差した方向を見ると、2件隣の家の塀の匂いを嗅いでいるタロちゃんがいた。

 

 

簡単に捕まえれると思ってたんだ。

 

 

しかし、追えば逃げる。さらに興奮度MAXのタロちゃんは、オレと遊んでるつもりなのか、びちゃびちゃに濡れた体で、こっちにこいよ!と言わんばかりに人様の庭から庭へ駆けずり回っていた。

 

 

オレとおばあさんが、タロちゃんタロちゃんってウルサイもんで、近所のおっちゃんおばちゃんも、

 

なした?なした?

 

ってわらわらと外に出てきた。

 

小さな集落の団結力は堅く、すぐさまタロちゃん捕獲隊が結成された。

 

山さんはあそこで待機!

 

かあさん、かあさんあっち行った!

 

そんな感じでタロちゃんを追いこんでいると、タロちゃんが県道に飛び出してしまった。

 

県道では道路拡張工事が行われており、土方と警備員と配達員と村人を巻き込む大取り物に発展してしまった。

 

 

総勢30人程でタロちゃんを取り囲み、佐々木さんの家の塀に追い詰め、最後は飼い主のおばあさんが捕まえた。

 

 

いがった、いがった!

 

皆、口ぐちに安堵の歓声を上げ、各自の仕事に戻ろうとした時

 

 

待で、待で、

 

タロちゃんの飼い主のおばあさんが皆を引きとめた。

 

 

まみこ、あれ持ってこい、あれ。デ~あったべ、デ~。

 

 

まみこさんは家の中から白い箱を何個か持ってきた。

 

 

皆で飲んでけれ。

 

 

そう言って差し出されたのは

 

 

リポビタンD

 

 

おばあさん用語でリポビタンDはデ~と言うらしい。

 

 

 

オレと土方達はデ~を飲んで真夏日の炎天下の中を、誰かの幸せの為に働きだしたんだ。

 

 

 

ファイト~いっぱ~つ!

 

ってかっ<`~´>

 

 

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 

 

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